この作品は私の先祖が製作して、来年で四百五十年になります。現在までの間に一度火に焼けたそうで、それは黒ずんでいる部分からわかるそうです。
 私は時々先祖の話を聞かされました。我が家の先祖は鋳物師でいつの日か褒美に天皇様より菊の家紋を賜り、使っていましたが戦時中は憲兵に捕まらないように、花びらの枚数を本来の十六枚から一枚減らし十五枚にしていたそうです。
 この像を所蔵されている円光寺さんにある我が家のお墓には菊の御紋が彫られています。

銅造 聖観世音菩薩立像 
製作1572年(元亀3年)大工神田
埼玉県狭山市指定文化財
所蔵 狭山市円光寺
                
写真提供狭山市博物館

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